発泡スチロールで原型をつくる
今回は、
造形物ってどうやってつくってるのかな〜っと興味をもってくれた方のために、少し造形の舞台裏のお話をしますね。
造形の世界では、一度扱いやすい素材(粘土や発泡スチロールなど)で原型を作ってから、型を取って別の素材に置き換える、という作業をよくします。
木の彫刻などとは違い、原型で使われる材料は強度が出ないので、他の素材に置き換える必要があるのです。
今日は原型で使われる素材の中でも、発泡スチロールについてお話します。
FRP製品を扱う造形屋さんでは、原型を製作するときに発泡スチロールを使うことがよくあります。軽くて加工しやすいため、大きい造形物やそこまでディテールの凝ってないものを作るには便利なのです。
会社によって略し方がさまざまで、発泡だったり、スチロールだったり、映像系ではカポックと呼ばれたりもしますね。ちなみに僕はスチロール派です。
以前こちらでご紹介したひつじのかぶりものも、原型は発泡スチロールでつくりました。
kamonohashizokei.hatenablog.com
発泡スチロールで原型を作るときは、まずおおまかな形をニクロム線という熱線で切り出してから彫刻に入ります。
彫刻に使う道具は、料理包丁やノコギリの刃を加工したり人によってさまざまで、鋼製の硬い包丁だったり、しなやかなパン切り包丁を使っている人もいたりと千差万別です。
僕もこんな感じで用途別にいくつかもっています。(刃がむき出しなのも物騒なので、コンバネで鞘をつくりました。並べると印字が連なるようになってます。)
包丁を使って彫刻するとこんな感じになります。
発泡スチロールで彫刻したカバさん
製品として完成させる場合は、この後型を取って、FRPなどの素材に置き換えなければいけません。
粘土と違い、彫りすぎると修正が大変なので神経を使いますが、包丁で削っている時のサクサク感はすごく気持ちがいいです。仕上がりは粘土原型ほど繊細ではありませんが、粘土では出せない味がでるので僕は結構好きですね。ラフな削りっぱなしの雰囲気もなかなか格好いいんですよ。
また後ほど、スチロール作品も紹介していきますね。
ではまた。