節分に向けて鬼をつくる2
前回から間がだいぶ空いてしまいました。もう節分も終わり3月にもなろうかというところですが、引き続き鬼の面制作について書きたいと思います。
前回、顔の原型が完成し、今回ツノ制作に取り掛かります。
顔の原型とツノの原型は別々につくることにしたので、まず顔の原型をFRPで抜きました。こうすることで、制作中に顔の原型を傷つける心配がなくなるので思いっきり作業することができます。
ただ、顔とツノのバランスがあまりにも違いすぎるとツノをどういじっても合わなくなったりもするので、顔の原型を作っている段階で仮のツノを当てて全体のボリュームはすでに合わせています。
なのでツノの制作は、その仮のツノのバランスを詰めていく作業から始まります。
曲がりくねったツノが好きなので、いろいろ試しているところです。ほんの些細な角度の変化で情けなくみえてしまうので結構試行錯誤しました。前から見ても横から見ても見栄えするようつくるのは難しかったです。
基本は怖いイメージなのですが、日本独特の恨めしい感じがでるようあまり強くみえすぎないようにも気をつけました。水牛のようなツノをイメージしながら、その曲がり具合、華奢さはなんとなくノコギリクワガタをイメージしています。
だいたい角度が決まったので仮のツノを軸に粘土を盛っていきます。ある程度形ができてきたら、顔から外してディティールを詰めていきます。
ツノの色は金や銀にする予定なので、少しだけ節っぽいディティールを入れています。
予め素材自体にベースとなる色を着色してあります。ここから気泡や傷のパテ埋め、分割ラインの仕上げをして、塗装に入ります。
ベースの色をスプレーガンで塗装しています。古い年代物のお面のイメージなので後々エイジングを施すのですが、ベースの段階では比較的綺麗な塗装を心がけます。
ここから、汚れや経年変化の感じを加えていきます。ここからは、ガンではなく手塗りの作業になります。年代物でも大切に使われてきたもの、ということであまり派手な汚しはしていません。
こうして出来上がったのがこちらです。
これは秘密の話になりますが、偶然にもツノの角度を違和感なく2パターン変えて取り付けることができたので青鬼と赤鬼でツノの生え方を変えています。嬉しい誤算でした。赤鬼青鬼ですが、ツノの色、角度を見ると金閣銀閣と呼びたくなります。
現在この鬼の面たちは仮面屋おもて様(http://kamenyaomote.com)にて置いていただいているので、ご興味ある方はぜひのぞいて見てください。
ここからは番外編的な話。今回鬼の面を作るにあたって、装飾もかっこよくしたいなということで、紐も頑張ってつくっています。紐の結び方は全くの専門外なので、実はこれが一番苦労しました。紐の結び方も色々あって、すごく面白かったのでどこかのタイミングでちゃんと研究してみたいなと思いました。
もうひとつ番外編。そういえば昔鬼の胸像を作ったことがあったなーと思って、引っ張り出してみたらツノの生え方が同じで笑いました。きっと自分の中のかっこいいツノ観はこれなんだなと思いました。いつかまたツノの生えた別の生き物を作った時は、注意して見てみてください。