かものはしの造形おもちゃ

動物のかぶりものつくっています。

節分に向けて鬼をつくる


ご無沙汰しています。かものはしです。

新年になって早くも1ヶ月が過ぎようとしていますね。昨年は動物のかぶりものを主に作っていたのですが、今年はもう少し幅を広げてみようと思っています。(もちろん、かぶりものも好きなのでどんどん新キャラを増やしていく予定です。)

その第一弾として、新年早々せっせと鬼を作っていました!

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撮影のため鬼さんたちがせっせと書いてくれた素敵背景と共に

 僕はもともと生き物が好きなので、今までの作風は割と動物の持つ優しくも力強い雰囲気を大切にして作ってきました。が、しかし今回の鬼に関してはいかに怖くつくるかが重要ポイントです。・・・とは言っても、古典の般若の面などのようなシンプルさを出したかったので、不必要に凶々しくなりすぎないように気をつけました。

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唯一描いたラフすぎるスケッチ

オリジナルのキャラクターをデザインするとき、横顔からイメージすることが多いです。顎の出たシルエット、動物寄りの骨格、、、頭の中のイメージ通りに絵を描くことは自分の場合難しいので、だいたいのイメージが掴めたら、ミニチュアでつくりながら方向性を決めていきます。

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まず左半分を作ってみたけどなんだかしっくりこない・・・。

・・・ので、もう反面を違う雰囲気にしてみました。

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どことなく骸骨感と獣感をプラスしてみて、、、うん、こっちの方がいいかな。ということで、この右半分をベースに作っていくことにしました。 

ミニチュアで方向性が決まったら、いよいよ実際の原型をつくります。f:id:kamonohashizokei:20180127201223j:plain

今回はお面型なので、いつものようにフルサイズのマネキンではなく、前面だけのマネキンに粘土を盛り付けて行きます。使用した粘土は水粘土です。

油土と違い、最初柔らかく水分がなくなるにしたがい硬くなっていく性質をもつので、サクサク作っていけます。ある程度大きい造形は水粘土がおすすめです。(が、乾いた粘土が砂埃のようになるので家でやると結構不快なのでご注意を!)

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こんな感じでざっくりと粘土を盛り付けていきます。

ある程度形が見えてきたら、歯がついた状態のイメージを掴むため、仮で歯をつけます。f:id:kamonohashizokei:20180127201451j:plain

歯のサイズ感がいい感じになったので、歯を油土に置き換えます。(水粘土だと柔らかすぎるので、小物パーツなどは硬い油土で別に作るとつくりやすいです。)

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写真にはないですが、このときツノも仮のものを当てて雰囲気を見ています。複数パーツが分かれているモノを作る場合、初めから全部バラバラに作ると合わせた時のバランスの調整に苦労するので、仮の素材でもいいからなるべく全体像が常に見える状態にしておくとバランスよく作っていけます。

そんなこんなで、顔の原型が完成しました。

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デザインのポイントとしては、牙の向き、鼻の角度、口の開き具合など、全体的に流れるようなラインをとにかく意識していました。特にタレ目は、少し角度を間違えるとただ悲しいだけの表情になってしまうので、眉間から目尻にかけてのラインを悲しげだが怖い雰囲気になるよう調整しました。

横からみた時の顎の出たシルエットをどう表現するかも悩みどころでした。ただ顎が突き出ているだけだとエヴァンゲリオンみたいになってしまうので、いろいろ悩んだ結果ヒゲでボリュームを出すことにしました。耳脇から出ているヒゲもなかなか曲者で、バランスを間違えるとサザエさんのようになってしまい大変でした。鬼瓦などにあるくるくるお髭をいい具合に現代風に落とし込めたかなと思います。また、裏モチーフとして、木魚感も意識しているのでそこも感じてもらえると嬉しいです。

長くなってしまったので、とりあえずこの辺で一旦終わります。次回はツノのお話をしたいと思います。